【トラックドライバーのトイレ事情】笑ってもらえればそれで満足です

こんにちは、トラックドライバーのikuzo(いくぞう)といいます。

いきなりですが、あなたは大人になってから、〇んこを漏らしたことがありますか？

「はい」と答える人なんて滅多にいないですよね。

しかし私は「はい」と答えなければならない経験をしたことがあります。

しかもそれは交差点で右折中の出来事でした。

大型トラックドライバーならではのエピソードです。

すでに20年以上前の話なので、勇気をもって書かせていただきます。

お食事中の方は決して読んではいけません。

よく晴れた12月の朝の出来事

それはよく晴れた穏やかな12月の朝の出来事でした。

その日、私は大型トラックに乗って自宅から10kmほど離れた都内某所を走っていました。

その日は急ぐ仕事でもなかったので、朝のラッシュで渋滞している片側1車線の道を穏やかな気持ちで走っていたんです。

「今年ももうすぐ終わりか……」

そんな呑気なことを考えて運転していたら、お腹が急に痛くなり始めました。

しかもかなりのビッグウェーブでした。

 

大型トラックなので、それほど広くない片側1車線の道に路上駐車して付近のトイレに行こうものなら、辺り一帯の道路はたちまち麻痺状態になります。

プロ（職業）ドライバーとして勿論そんな事はできるはずもありません。

この時、たまたま自宅方向へは向かっていました。

自宅付近に一応トラックは駐車できるものの、この渋滞を抜けて自宅に着くには少なくても30分はかかりそうです。

自宅まではまず無理と判断しました。

どこか途中に大型トラックを駐車してトイレに行ける場所はないか、

そんなことを考えつつ、早くもお腹の痛みで体をよじりながらトラックを運転していた私です。

希望の光 それは「吉野家」

するとこの先に大型トラックが1台だけ駐車できる吉野家があるのを思い出しました。

距離にして約1km先、しかし渋滞中なのであと5分は我慢しなくてはいけない場所でした。

 

5分ならなんとか我慢できそうだぞ

でもすでに他のトラックが停まっていたらどうする？

仮に駐車場が空いてても誰かトイレを使っている可能性もあるぞ

その時は平穏な顔で無事に待てるのか、俺

 

自分に問いかけながら、先ほどよりも体を大きく揺らしたりくねったりするドライバー（私ですね）が乗ったトラックは吉野家を目指して渋滞の中を進みます。

地獄行きを決定づけた判断ミス

ところがもうすぐ吉野家という所で、あれだけ苦しんだお腹の痛みがピタリと治まったのです。

微塵も痛くない状態に戻ったのです。

 

結果的に、吉野家に大型トラックを駐車できるスペースは残っていました。

ですがここで吉野家に入って、誰かがトイレを使っていて無駄に時間を使うのであれば、

痛みが治まった今なら自宅のトイレへ向かった方が確実なのではないか

ここは吉野家を素通りして自宅へ急ごう、

自宅へGOだ！

という考えに至りました。

結果的にこの判断が私の地獄行きを決定づけました。

足も必死

そして吉野家を通り過ぎると、すぐにさっきよりも大きな波がやってきました。

ここから先、大型トラックを駐車できる場所はもうしばらくありません。

3kmくらい走って右折すれば、そこは交通量が比較的少ない2車線道路なので、

最悪そこで路上駐車して、草むらに隠れて……、などとこの時は考えていました。

真の「最悪」の事態をこの時はまだ想定していなかったんです。

 

前方の信号は次々に赤に変わります。

その度に足の裏から汗が出てきます。

足の裏から汗が出るというのは非常にまずい状態です。

ふだんは滅多に汗が出る部位ではないですからね。

足の裏も必死に「やばい、やばい」と訴えているのでしょう。

そう、まさかの事態になれば被害を被るのは下半身が中心です。

足にしてみれば逃げる場所などないのですから、必死に訴える気持ちはよく分かります。

腹痛の原因は名もなきキムチ

そもそも何故こんなにお腹が痛いのか、苦しみながらも冷静に考えている自分もいました。

ふと昨夜食べた「名もなきキムチ」が思い浮かびました。

いえ、正確に言うと名前がないのではなく、読める文字（日本語）がひとつもない、パッケージの文字すべてがハングル文字のキムチでした。

近所のスーパーで妻が「すべてハングル文字＝本格キムチ＝きっと美味い」と思いこんで買ってきたのでしょう。

たしかに美味しかったですが、私のお腹では処理が不可能なキムチだったようです……。

それは右折中の出来事でした

そしてどうにかこうにか、片側2車線の道路がすぐそこにある交差点付近までやって来ました。

「ここを曲がれば2車線道路！あとは草むらに隠れてやるしかない！」

そう思いながら右折を始めたその時です。

もしかすると2車線道路が見えて気が緩んだ、いえ、肛門が緩んだのかもしれません。

というよりここで、肛門が一つの生命体のように勝手に動き始めたんです。これはかつてなかった経験です。

「え、待って、待って！草むらすぐそこだから！」

 

これまで修羅場は何度もありました。

しかしどんなに危険な状態でも私の肛門は負けることはありませんでした。

そう、まるでウルトラマンのように

ピンチを迎えながらもいつもはトイレまでちゃんと持ちこたえてスペシウム光線を放っていたんです。

 

ですが今回は相手（キムチ）がゼットン級の強さだったようです。

しかも初めての敗北は交差点で右折中でした。

そしてその時、腰が勝手に椅子から浮き上がりました。

座ったままだと被害が広がると思ったのか、腰が勝手に椅子から離れたのです。

これによって被害が最小限にとどまりました。

人間ってすごいですね。

想像して下さい

想像したくないと思いますが、想像して下さい。

トラックで右折しながらです。

オートマのトラックではありません。クラッチ付のマニュアル車です。

しかも腰はシートから浮いています。

腰を浮かせた状態でハンドルを切りながらアクセルを踏んで、左足のクラッチを離すのって結構むずかしいですよ。

しかも尻では別のこともしてますからね（本人の意思ではありませんが）。

交差点で他のドライバーが見ていたかは知りませんが、間違いなく変な動きの右折だったと思います。

いったい私はどんな顔をしながら右折していたのか。

すべてが終わった瞬間でした。

このあとの事はもう書きたくないので、これで終わらせていただきます。