こんにちは、ikuzo(いくぞう)です。
私がトラックドライバーになって早いもので25年が経過しました。
この業界に入る前は2トン車さえもまともに運転したことがありませんでしたが、
いきなり大型トラックの長距離ドライバーとしてデビューしました。
運送業界のことを全く知らなかった私は、求人誌に載っていたいくつかの運送会社に応募して、
運よくその中の1社に採用してもらいました。
そこそこ大きな会社なんですが、
こんな素人を採用して、よくいきなり大型車に乗せたなと今でも思います。
そのまま約25年勤め続けていますが、
もしこれが給料が安かったり仕事のきつい会社だったら、とっくに他の会社に移っていたかもしれません。
なので本当にたまたまなんですが、入社したのが自分にとって悪くない会社だったわけです。
そんな素人だった私が言うのもなんですが、会社選びって大事ですよ。
自分の将来を預ける場所ですから、後悔したくない会社を選びたいですよね!
そこで今回は、運送会社の選び方についてお話ししたいと思います。
これを読んでいるあなたが少しでも良い運送会社に入れるように、
ポイントやヒントをお届けできれば!と思ってます。
トラックドライバーの仕事は腐るほどある!
現在、運送業界はドライバー不足が大変深刻化しています。
ドライバー不足といっても、トラック運転手の数が大きく減っているわけではありません。
Amazonや楽天などのEコマース(ネット通販)の利用者増加で、荷物の量(個数)が増えていることが主な原因です。
それと2024年問題を控えてる今、運送業界は腐るほど求人募集があります。
上のグラフからも、他の業種に比べてトラックドライバーの求人倍率は極めて高いことがわかります。
つまり今の世の中、しっかり探せばいい運送会社に巡り合う可能性は高いということです。
運送会社選びの最優先ポイント→なるべく大手を選ぼう
では、どんな運送会社を探せばいいのかというと
運送会社の求人広告を見て最初に目が行くのは、誰しもがその会社のお給料だと思います。
仕事を探している人なら、当然ですよね。
仮にA社とB社の広告が掲載されていて、どちらも月給が30万円だとします。
同じ給料で待遇も似たようなことが書いてあれば、自宅から近い方の会社を選びたくなりますよね。
しかし、お待ち下さい。
給料が同じでも実際の拘束時間や仕事の量は、入る会社によって大きく変わります。
運送業界は大きい会社ほど、小さい会社に比べて仕事が楽で給料も高くなる傾向があります。
大きい会社ほど「給料が高い」というのはどの業種も同じだと思いますが、運送業界は「仕事が楽」になります。
一般に大手と中小企業を比較した場合、
同じ仕事量なら、大手の方が給料は高い
同じ給料なら、大手の方が仕事は楽
と言えます。
主な原因は、小さい会社は大手に比べて、安い金額で仕事を受けていることが多いからです。
大きい会社はマージンを差し引いて下請けの会社に仕事を回すこともあります。
自分のところでやりたくない面倒な仕事は、仕事のない小さな会社に安い金額でやらせようとします。
そのため、仕事の少ない小さな会社は必然的に給料が安くなったり、ハードな仕事が多くなったりします。
また、給料の安い運送会社には、求人広告に残業代や諸手当をすべて含めた金額を掲載している会社もあります。
求人広告で「月収45万円以上可」なんてフレーズを見たことがありませんか?
その金額は、ある程度のベテランドライバーが稼げている時の金額です。
「以上可」の金額を期待して運送会社に応募してはいけません。
求人広告に給料が安く書いてあったら、誰も応募なんてしてこないですからね。
よそに比べて給料が1.2倍ある会社でも、仕事の量や残業が1.5倍あったら元も子もありません。
給料の額ばかりを見るのではなく、仕事の内容や量を考慮するようにしましょう。
といってもその会社に入るまで、実際の仕事内容や量を見極めるのは難しいと思いますので、
「なるべく大きい会社」を最優先ポイントに会社を選ぶのが一番だと思います。
応募しない方がよいのは一年中求人広告が出ている会社
逆に運送会社の中で、一番避けたいのは求人広告が一年中出ているような小さな会社です。
すぐに人が辞める(または入ってこない)会社と判断できますし、
従業員不足が続くと1人のドライバーにかかる負担も大きくなります。
ハードな仕事が続くと、今いるドライバーもいずれは辞めるでしょう。
どこかで悪循環を断ち切る必要があるんですが、対策の打てない会社なんですよね。
誤解のないように言っておきますが、
「小さい会社=すべて入社しない方がいい会社」ではありません。
荷主に恵まれるなどして、これからどんどん成長していく運送会社もあると思います。
運よくそんな会社に勤めていれば、仕事のやりがいもきっとあることでしょう。
しかし、これから入社する人が今後成長するのかしない会社なのかを見極めるのは困難です。
だったらすでに成長している大手の運送会社を選ぶ方が、安全な得策だと思いませんか?
大手運送会社のメリット
わたくし独自の勝手な基準ですが、これくらいの会社なら入社されてもいいと思います。
入社したい会社の条件
会社が設立してから20年以上経過している
10年以上勤めているベテランのドライバーが多数いる
従業員数が100人以上(多ければ多いほどいい)
営業所がたくさんある
このような大きい会社がなぜいいのかというと、給料や待遇面の他に社則が厳しいこともあります。
「社則が厳しい」というのは一見窮屈そうな感じもしますが、
様々な事象から結果的にあなたを守ってくれます。
たとえば高速道路を走っているトラックは、会社によってスピードが様々です。
社則の厳しい大手はスピードにもうるさいので、比較的ゆっくり走っています。
ゆっくり走っても間に合うような運行スケジュールが、もともと組まれているんですね。
ゆっくり走るということは、
ゆとりを持って仕事ができますし、事故や取り締まりに合うリスクも少なくなります。
もしその事故を起こすと……
会社の大小によらず、給料の一部として支払われている「無事故手当」がなくなったり、
賠償金や修理費の一部、もしくは全額がドライバーの負担になることもあります。
このドライバーの負担額は、会社によって大きく変わります。
手当や弁償金については面接の際、必ず担当者に確認するようにしましょう。
また、大手の会社には専属の営業がいます。
営業がいる会社は荷主のお客様から直接仕事がもらえることが多くなり、
他の会社を介さないので運賃も良く、その結果ドライバーの給料も高くなります。
一方で、小さい会社は社長などが仕事の合間に営業をするだけなので、大きな荷主から直接荷物をもらえるのはごく稀です。
そのため、他の運送会社から回ってくる安くて面倒な仕事を引き受けないと仕事のない会社もあります。
面倒な仕事とは
手積み手降ろし
積込先や配送先の条件が悪い(道がせまい・荷物の積み降ろしに時間がかかるなど)
1車分の積込先や配送先が複数であること
大きい会社は効率のよい楽な仕事を自社のドライバーにやらせて、
面倒な仕事はマージンだけを差し引いて、下請けなどのよその会社に回しているわけです。
面接時の質問事項など
さて、よさそうな運送会社が見つかり、面接まで漕ぎつけたとします。
これからあなたがお世話になるかもしれない会社を訪れたら、
まず見ていただきたいのがそこに勤めている社員さん達の乗用車です。
トラックドライバーは、ほぼマイカー(またはバイク)通勤です。
これは公共の交通機関が動いていない時間帯に通勤しなければならないことと、
運送会社なので会社に十分な駐車スペースがあるからなんですね。
乗用車を見ると、その会社で働いている社員さん達の生活レベルがある程度わかるので、必ずチェックするようにしましょう。
そして、面接時に使える質問事項の例を挙げておきます。
必要に応じて面接担当者に尋ねてみて下さい。
ただし、自分で調べることができるものについては、あらかじめ調べていった方が印象はよくなります。
調べた上でもう一度確認する意味合いで聞いてみましょう。
営業所の数
ドライバーの平均年齢と勤続年数
実際の出勤時間や勤務時間
年間休日(土日は休めるか?)
給料や各種手当
給料制度(固定or歩合)
賞与・昇給(賞与・昇給のない会社もあります)
退職金
寮や社宅の有無
免許や資格の取得制度
事故(交通・荷物)を起こした際のドライバーの負担
勤務時間についてですが、現在は法律で2~6ヶ月の月平均の残業時間が80時間以内と決められています。
そのため、昔に比べると拘束時間が極端に長い運送会社は減ってきていますが、トラックドライバーにつきものの、
荷積みや荷降ろしのための待ち時間をすべて休憩時間と見なす会社もあるので、そこも確認した方がいいと思います。
あとは面接当日に実際の配車表を見せてもらって、
その会社で働いているドライバーの具体的な運行ルートや荷物(品物と積み方)を確認させてもらうのがいいでしょう。
まとめ
運送会社はとりあえず大手の会社を狙いましょう。
もし希望の大手が初心者を採用しないようなら、ひとまず中堅で待遇のよさそうな運送会社に入り、
そこで経験を重ねてからステップアップで大手の運送会社を目指すという手もあります。
会社は大きいほど、そして車も大きいほど給料はよくなります。
いずれあなたが高給取りを目指すのなら、海上コンテナや重機トレーラーなどのドライバーはいかがでしょうか。
勤務地にもよりますが、800万円前後の年収を稼ぐことも夢ではありません。
手積み手降ろしが嫌だったら、石油や高圧ガスのタンクローリーもあります。
いきなりは乗せてもらえなくても、将来を見越してそんな車がある会社に入るのも、ひとつの戦略だと思います。
私のように成り行き任せではなく、将来のビジョンを持って仕事を探せば、輝く未来がきっとあなたを待っています!
幸運を祈ってます。
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